Weekly_Sayonara_Sunday’s diary

週刊さよならサンデー。タイトルは少年誌四天王のパクりじゃなくてオマージュ。週刊とは名ばかりで書きたい時に随時更新。次回の先生の作品にご期待ください!

2015年10月6日~7日

私がマンションを離れてから、警察署に連れられた彼と一緒に飲酒していた家主や友人、半日前まで彼らと一緒に居た空間に残ってる家主の妹と違い、私は直接 彼の死に向き合わされる事も無く家主の妹のメール越しに事態が運ばれてくのを感じながら時間が過ぎていった。彼が死んだことは信じられないけど、死んでいるという状況を受け入れつつあった。(彼は生きてるとして・彼の死はタチの悪い冗談としても)あの別れ際は悲しいものだったけど、彼の死は信じられないから悲しくないし、でも今 彼が死んだという異常事態なのは理解できて私もちゃんとしなきゃっていう。解ってないけど解ってるし、解ってるけど解ってない。感覚がチグハグな時間をかなり長い時間過ごした。

家主の妹からのメールで夜に私たちの共通の友人で尚且つ彼の古くからの親友でもある二人が来るとのことで、私も家主のマンションに戻った。最期に一緒だった私たちと彼は社会人になってから友達の友達という形でイベント事で何度か一緒になったりしてその枠を越えて仲良くなった。
今夜やってくる二人は大学時代の同じサークルで濃い仲を当時から今なお長年続けてきた二人。涙を見せることもあるけど取り乱すことはなく、しっかり昨日の様子と現状を大学時代の友達の方々に電話連絡してまわった。私はこの間にも、おどけながら謝りつつドアを開けて彼が入ってくるんじゃないかなんて想像を何度もした。来ないんだけど。彼の死は私にはまだリアルじゃなくて、それでも彼の死に涙しながら電話をかけてる彼女、電話越しに聞こえる友達の方々の驚きのリアクションはリアルで。
正直なところ この電話の様子と、気が滅入ってく友人とのメールでのやり取りが一番つらかった。リアルだから。
電話をかける二人も電話に出る人たちも彼とは古い付き合いなので しんみりした空気だけじゃなくて「酒好きで酔うとああ なるアイツのことだからこの死に様もアイツらしい」っていうなんというか彼を振り返っての納得みたいなのを皆が持ってた。彼の裏表の無さというか、いつ何処で誰といてもずっと彼は彼のままだったんだなって思い知った。努めて感情に流されないように伝えていた二人の功績はもちろん大きいけど。
電話連絡も無事必要な人に全員届き、二人は帰宅。
家主は同マンションの自分の同級生の元へ。この同級生は私が離れてる間、家族の前では吐けない家主の弱音を受け止め支えてくれていたとのこと。家主は戻ると直ぐに前日からの抜けない体の疲れと、一気に襲ってきた心の疲れとで部屋に戻ると眠ってしまった。なるべく いつものように振る舞うけど目元はすごく泣いたアトがあって顔色も悪くて。
最期の最後に彼を介抱してくれた友人は家族の事情でどうしても家を抜けられない状況に陥ってしまい、ここに来れないことを本当に悔しそうに本当に悲しそうに本当に申し訳なさそうに私に連絡してきてくれた。

家主の妹と私、心配して忙しい仕事を押し切り遅い電車でなんとか駆けつけてくれた妹の旦那さんの三人で二日目の夜を過ごした。0時も越え落ち着いてボンヤリと三人で日常的な会話をしていると時折、誰もいない場所で小さいけどカサカサと物音がすることが何度か有って彼だなと自然に思った。そんなにしっかり宗教感も持ってないし信仰心も無くてあやふやなんだけど…死んで2~3日目は本人も驚いて死んだってことが理解できなくて死んだ場所に留まって、そこから7~10日くらいで自分に縁の有った所を廻っていって、49日ぐらいで生まれ変わるらしい…あやふやだけどそんなような話を思い出してた。ちなみに友達の家族計画は知らないけど、彼には私から見て彼と特に仲良かった親友の子供に生まれ変わって欲しいなっていうのが私の第一希望です。オバケとかめちゃくちゃ苦手だし不審な物音とかビビるけど本当に自然に彼だなと思って怖い気持ちが一切沸かなかった。私は霊感が無いから どんな姿で何をしてるかとかは見てあげられなかったけど。後にそれを家主と友人に話したら「寒い~寒い~って言いながら半裸でゴソゴソ服探してるんちゃう?」って言われてめちゃくちゃリアルに想像できて笑った。何度も見た光景だからね。